合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~

魔物料理(七)


「コカトリスの肉も、一口サイズに全部切ってしまいましょう。けっこうたくさんあるので、切るの手伝ってもらってもいいですか?」

「もちろんよ」


 私の胴体くらいありそうな肉を手分けして切り分けていく。

 それだけでもかなりの量だ。

 なんとかフライパン三つ分の肉を切り分けたところで肉に塩とこしょうを振り、揉みこむ。

 そして熱していた油の中ににんにくみたいなものを入れる。

 みたいなというのは味はとても似ているのだが、名前がこの世界では違うらしい。

 しかし昨日料理長にいろいろな食材の名前を教えてもらったのだが、多すぎて全く頭に入ってこなかったので、名前を覚えるのは早々に諦めることにした。


「すごい、いい匂いですね、ソフィアお嬢様」

「そうね、これを料理に使いことはよくあるけど、こんな丸ごと入れるなんて私も初めて見るわ。でも、とても食欲をそそる匂いね」

「これはとても簡単で、ここに切った肉とキノコを入れて混ぜながら火が通れば完成です。みんなに出す前に味見してみます?」


 火の通ったアヒージョをやや深めの器に盛りつけながら、二人に声をかける。

 出来立てを食べられるのは、作った人だけの特権だ。
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