合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~

気づき(五)


「私、この前妹の外見ばかりを褒めて怒らせてしまったんです。きっと、嫌な思いをさせんですね。帰ったら謝らないと」

「みんな、ない物ねだりなのよ。きっと、妹さんもソフィアちゃんのことが好きで、そしてそれ以上に羨ましいんじゃないのかな」


 私を羨ましいと思うことなんてあるのだろうか。

 でも無自覚だと言われる以上、どこかあるのかもしれない。


「ルカ、帰りにミアに何かお土産を買って帰りたいんだけど」

「はい、では、ここを片付けたら買って帰りましょう」


 次々にセルフで運び込まれる洗い物たちを見ながら、私たちは苦笑いを浮かべた。

 今日はこれを片付けてしまったら帰ろう。

 そしてちゃんとあの子と向かい合うことが出来たら、何か変わるかもしれない。

 ほんの少しだけ、そう思える自信が私にも出来たから。
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