合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
21章
拒絶(一)
帰宅後、ルカのたちの手を借りて誰が私の行動をミアに逐一報告していたのかを突き止めることが出来た。
予想していた通り、ミアの専属侍女の二人が御者と手を組み私の情報をミアに流していたのだ。
侍女と言うのは、時として家族より距離が近い。
しかも専属ともなれば、大概どこに行くにも行動を共にしてくれる。
そのため家から出る給金の他に、感謝の気持ちとして個人から侍女へ物やお小遣いを払うこともある。
そうして長く仕えるうちに主人が本来の雇い主である当主ではなく、仕える個人へと勘違いを起こしてしまったのだろう。
ただ今回の件は、そのままうやむやには出来ない。
いくら相手が妹だったとはいえ侯爵家の令嬢の行動を他の人間に漏らすなど、あってはならないことなのだ。
「ミアに加担していた侍女たちは、みんな解雇することにしたよ。ミアも家でしばらく謹慎させようと思ったんだが、侍女たちを連れて領地へすでに出て行った後だった。しばらく向こうで頭を冷やすだろう」
父はややため息混じりに私のベッドサイドの椅子に腰掛け、事後処理の説明をしてくれている。
やはり誰の耳にも入れないというわけにも行かず、父へと相談するとすぐその日のうちに対応してくれたのだ。
それが昨日でおそらく処分を察したミアが侍女たちを連れて、領地へ逃げたのだろう。