合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
拒絶(四)
馬車の中で読んだ手紙には、私の体調の心配と会いたいという言葉が書かれていた。
逃げたところでという父の言葉は私にも当てはまる。
この先、キースとの関係をどうするのかちゃんと答えを出さないといけない。
そう、ちゃんと考えないと。
正門にて用向きを伝えると、すぐさま執務室まで通された。
「ソフィア、もう起き上がっても大丈夫なのか」
全ての仕事を放りだし、キースが迎えてくれる。そして私は勧められるままにソファーへと腰かけた。
「あまり顔色が良くなさそうだが」
奥から書類を抱えたグレンもやって来る。
「そうね……。だから今日は少しだけ。ギルドより報告は入っていますか?」
「魔物の肉とか言っていたやつか」
「ええ。この前キースと行った時に、魔物の肉を用意してもらうようにお願いしていたの」
「昨日、俺のとこにギルドからお礼が来ていたぞ。なんでも、とても好評だったと」
「美味しかったですよ。皆さんもとても喜んでいただけて、宴会のようになっていましたけど」
向かい側に来て座ったグレンが、何か考えるように私をじっと見つめていた。