合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~

拒絶(五)


「まさか、ソフィアも魔物の肉を食べたのかい?」

「ソフィア、そのせいで具合が悪くなったんじゃないか? すぐに宮廷医を呼ぼう」

「ちょっと待って下さい。毒や中毒なんてことはありませんから」

「いやしかし」

「本当に美味しかったです。うちの侍女も食べましたが、何ともないです」


 父以外に、こんなとこにも過保護な人が二人もいるとは思わなかった。

 昨日アンジーさんからも手紙をいただいたが、美味しかったので今度またレシピを教えて欲しいということだったのに。


「二人とも、さすがに失礼ですよ。まるで私の料理が毒みたいに言って」


 ぷーっと頬を膨らますと、グレンが横を向き、キースは盛大に噴き出す。

 な、何。私、何かおかしなこと言ったかしら。


「違うんだ、ソフィアの料理がダメだったと言ったわけではないんだ。魔物の肉が、合わなかったのかと思ったんだよ。それにしても気にする点が、あまりに違うから」

「まさか、貴族の令嬢が本当に魔物の肉なんて食べるとは思わなくてね」

「魔物の肉を食べるって、そんなに変なことでした?」
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