合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
拒絶(七)
昔、賞味期限が切れると言われて食べたことはあるけど、砂や石というほどひどいものではなかった。
そう考えると、こっちの携帯食は何で出来ているのだろう。
「一度、食べてみたい」
「……」
二人は本当に珍しいものでも見るように、見ていた。
「え。そこまで言われたら、普通食べてみたくなりますよね?」
「基本が変わっているんですね」
「グレン、せめて好奇心旺盛と言わないか」
この場合、どちらもあまりいい意味とは言わない。怖いもの見たさなので、仕方ないじゃない。
「そうだ。この前のお礼も兼ねて、渡したいものがあるんだ」
執務室の引き出しから、綺麗にラッピングされた箱をキースは取り出す。
そしてニコニコしながら、私の前に置いた。中身を見なくても、これが何か分かる。
「ありがとうございます」