合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
キース視点(二)
話を聞いているうちに、どこかその話がおかしなことに気付く。
同じとは、何を指すのだろう。
ソフィアとミアでは髪の色も瞳の色も全く違う。
声も似てはいても、同じではないのだ。
そして何より、ミアはソフィアが通っていた王立の学園には通っていない。
一つのことがおかしいと思うと、その話全てがおかしく思えてくる。
侯爵夫人はとても子煩悩だと有名で、学園に入りたいと行ったソフィアの後押しをしたと聞いたことがある。
それに前にカフェに来ていた時も、とても仲の良い親子そのものだった。
侯爵は確かに仕事人間で職業柄、家に帰る時間は少ないかもしれない。
しかし娘のことは溺愛していて、相手が王族であっても俺の求婚を断るくらいの人だ。
「どうしてあの子は、いつでも私が欲しいと思うものを奪っていくの……。私がいけないの? いけなかったの? ちゃんと欲しいものは欲しいと……言わなかったから」
「違う。そんなことない。ソフィアは何にも悪くない。そんな寂しい思いをしているソフィアのことを思ってやらなかった奴やが悪いんだ。どうして家族なのに、君が一人で悲しい思いをしなければいけないんだ。そんなのおかしいだろう」