合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
前進(五)
大体の予想としては、銅貨が10円、銅板が100円、銀貨が千円、銀板が一万円、金貨が十万円ってとこだと思うのだけど、これは実際物を見てみないことには分からなさそうだ。
でも、金貨100枚で白金貨って、一千万……。確かに桁が違いすぎて、見ることはないわね。
「ねー、そういえば、ルカのここでのお給金って、金貨2枚くらい?」
「ソフィアお嬢様、いくら侯爵家のお給料は他よりいいとは言っても、そんなにはいただけませんよ。住み込みで、ご飯などもいただいているんですよ」
住み込みだからこそ、プライベートな時間もあんまりないからと思ったんだけど、ここではそうではないらしい。
「街では金貨は使いづらいので、基本、お給金は銀貨や銀板でいただいています。侍女は初めてのお給金で、だいたい銀板10枚いただければ多い方ですよ。だから、みんないいところの侍女に憧れるんです。もっとも、給料は良くても旦那様や奥様がすごくキツイ方で、長続きしないお屋敷もたくさんあるんですけどね」
銀板10枚で多い方。
そうなると、私みたいな何にもない人間が働いても、王都で一人暮らしするのは難しいかもしれないわね。
もっと、剣とかが使えれば冒険者とかになって世界を回ることも出来たのだろうけど、体育会系ですらない私には到底無理な話だ。