合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~

再会(二)

「いやぁ、想像以上だね」

 どういう意味で? 聞きたい気持ちをぐっと抑え込み、にこやかにほほ笑む。

「婚約者の姉にまでお気遣いいただくなんて、父がとてもお礼を言いたいそうで、後から顔を出すと言っておりましたわ」

いやいや、それは困ったな。そんなつもりはなかったんだが」

「グレンさまはお優しいから、お姉さまが夜会に着ていくようなドレスがないと思って、わざわざ用意して下さったのですよ」

 本当はグレンが私のドレスを用意したこと自体、納得してないはずのミアがグレンを庇う。

 2人の仲が良く、私へのミアからの被害が減るならなんでもいいんだけど。

「そうね、この子は今までこういったことに興味がなかったですものね。お心遣い感謝しますわ。でも、ミアが嫉妬すると困りますから、ほどほどになさって下さいな」

「そうですね、申し訳ありません、侯爵夫人、それにミア。今度からはちゃんと君だけに贈ることにするよ」

「まぁ、グレンさま、うれしい。あんまりお姉さまにも優しくするものだから、ミア嫉妬しちゃうところでしたわ」

 ミアがグレンの腕に自分の腕を絡め、しなだれかかる。グレンはそれを見て、満足げにほほ笑むと、ミアの髪をなでた。

 こういったラブラブの世界は、二人だけに時にして欲しいものである。

「後ろがつかえてきましたので、参りましょう」

「そうだね、行こうか」
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