合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
再会(三)
『グレン・マクミラン様、ブレイアム侯爵家様、入場します』
私たちの入場を告げる声に、会場からの視線が注がれる。
次期宰相候補だけあって、グレンとお近づきになりたい人間ばかりだ。
しかし、二人の後ろを歩く私にまで視線が注がれているのはどうやら気のせいではないようだ。
男女問わずに、いろんな人と視線がぶつかる。
きっとこの派手なドレスのせいだ。
恥ずかしくてどうしたらいいのかも分からない私は、あきらめてほほ笑むことにした。
無難にほほ笑んでさえいれば、何も言われないだろうと高を括ったのだ。
「まぁ」
「あれが……」
「わぁ」
感嘆のような、いろいろな声が聞こえてくるが気にする余裕もない。
グレンが広間の中央付近で立ち止まり、私たちもそれに続く。ミアがちらりと後ろを振り返り、何か言いたげに睨みつけてくる。
「せっかくのかわいい顔が、そんなでは台無しよ、ミア」
「あら。お姉さまがあまりにお美しく化けられたので、眺めていただけですよ」
化けられたって。もう少し言いようがあると思うんだけど。
「あら、お世辞でもうれしいわ。ありがとう」
『国王陛下、王妃殿下の御成り』
すぐさま、会場にいる者たちは前を向き、最上級の礼をする。