合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~

休憩(二)


「いや、作ってくれるだけでも、うれしいよ」

 キースは私の隣に座りなおすと、プリンを受け取る。

 そして、物珍しそうに少し上に掲げ眺めている。

 この世界ではプリンもあると思うのだけど、基本的に今まで全てのことに執着してこなかったため、知識が偏ってしまっている。

 今後、ミアに転生がバレないために一般知識など気を付けなくてはいけないな。

「お酒も入ってますし、そんなには甘くないと思うんですが。あ、もしかして毒見が必要でした? それなら私が先に」

 キースが王族ということをすっかり忘れていた。

 普通なら、こんな気軽に物を食べられるようなことはないんだ。

「いや、大丈夫だよ。ソフィアが作ったものなら。ただ、綺麗な色だなと思って。ソフィアの方とはまた下の部分が少し違うみたいだが、これとそれとでは味が違うのか?」

「ええ。こっちは、お酒なしの方です。とはいっても、キース様の方のプリンにも風味程度にしか入ってないので酔うことはないと思いますよ」
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