お互いの両親への結婚報告を済ませて数日後のある日の夕刻。

 温和(はるまさ)の部屋――。

 私たちは今、ソファに2人で並んで座って、これからのことについて色々相談中です。

 暑いからって、氷をたっぷり入れて注いだ麦茶も、飲むのを忘れてしまうくらい2人してああでもないこうでもないって。
 はっと気がついたら、コースターが結露でしっとり濡れてしまっていた。
 溶けた氷で薄まったお茶を慌てて飲みながら、温和(はるまさ)を見つめる。
 私、この人と本当に結婚しちゃうのかな。
 こんなかっこいい人が、私の旦那様になるなんて信じられないよっ。

 季節は先日梅雨が明けて、本格的な夏が到来したばかりの7月下旬。

 エアコンがきいた、ひんやりとした室内。

 冷たいお茶を飲んで、身体の中からもクールダウン。
 ……したはずなのに、私は温和(はるまさ)の顔を見るだけで照れてしまって、頬が熱くなってしまう。


***


 職場への結婚報告は、とりあえず校長・教頭にだけは先に済ませて、他のみんなには指輪が出来上がってからにしようということになった。

 別にこれという決まりがある訳じゃないけれど、過去に見てきた他の先生方の結婚報告や、ネットの情報などを(かんが)みるに、先生という職業は大体入籍の半年前に上司や同僚へ結婚報告をすることが多いみたいで。

 温和(はるまさ)は割とせっかちなので、「親の許可も取ったんだし籍ぐらい先でもいいだろ?」って、すぐにでも入籍しちゃう気満々だったんだけれど、さすがにそれは待ってね?ってお願いしたの。

 だって、温和(はるまさ)は苗字が変わらないから問題ないかもしれないけど……私の方は鳥飼(とりかい)から……その……霧島(きりしま)になるわけで……。
 そうしたら、やっぱり書類上で色々手続きが必要になるところが出てくるんだもの。