オトメは温和に愛されたい
*本当の夫婦に
 初めて――。
 温和(はるまさ)と肌を重ねるようになって初めて――。
 彼がスキンを用意しないで私を求めてきた。

 それだけでこれから起こることを想像してしまって、身体の奥から今まで感じたことのない期待が溢れ出してくるようだった。


***


音芽(おとめ)、今日はそのまま挿入()るのとは別に、もうひとつ新しいことをしようか」

 チュッ、と小さくリップ音を立てて私の唇を何度か()むように熱を分け与えてくれた温和(はるまさ)が、指先で私の唇に触れながらじっと見つめてくる。

「新しい……こと?」

 温和(はるまさ)の骨張った長い指の腹が唇をなぞるのを感じながら、ぼんやりと彼を見つめる。

 パジャマの前はすでに肌蹴(はだけ)られていて、布の隙間から時折乳房の先の色付きが見え隠れしている。
 その膨らみを、もう片方の手でやんわりと包み込むように揉まれて、私は「ん、っ」と小さく吐息を漏らした。

 温和(はるまさ)からの口付けと指の愛撫でジンジンと腫れぼったいような(うず)きを訴えてくる唇に、喘ぎとともに小さく開いた隙間。

 それを更に開かせるように、温和(はるまさ)の指が滑り込んでくる。

 口の中を温和(はるまさ)の硬い指にかき回されて、苦しいような切ないような、何とも言えない感情が湧き上がってくる。
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