SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
プロローグ*秘書の退職
『藤堂コーポレーション』
食品や日用品、栄養補助食品と幅広いシェアを持つ大手企業。最近は化粧品業界へと参入にし、注目されていた。

三十一歳の若さで社長に就く、藤堂航(トウドウワタル)
クールで父親似の長身でイケメン顔。
元はアメリカの大手製薬会社『ジーザス』本社マーケティング部勤務。
能力主義のアメリカでも彼の仕事のスキルは高かった。

私は彼の秘書を務める
早波葉月(ハヤナミハヅキ)二十九歳

K大経済学部卒業後、『藤堂コーポレーション』入社。在学中に取得しておいた秘書検定の資格。
その資格が秘書課の室長の野上さんの目に留まり、私は入社後、直ぐに秘書課に配属された。
事務系に配属されると思っていた私。
まさか、資格だけで秘書課に配属されるなんて…晴天の霹靂だった。おまけに社長秘書と来る。
私に社長秘書が務まるか不安だったが。
気が付けば、私が秘書となり、七年の月日が過ぎていた。
現社長の父親・藤堂克己(トウドウカツミ)前社長の秘書を四年間務めて、そのまま彼の秘書を三年間務めていた。
息子に社長の椅子を明け渡した藤堂克巳会長。
会長は弁護士資格を持つ、亡くなられた会長の愛人の子。
奥様の蘭莉(ランリ)夫人は子会社の女性社員で、会長の出向時代に知り合い、結婚。
航社長が誕生した。
仕事上なら、藤堂親子のコトは何でも分かった。

私は決意を固めて、秘書室長室を訊ねた。

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