俺の好きにさせてください、お嬢様。




「ハヤセできない…?他の執事に頼む?」


「それだけは絶対に駄目です。エマお嬢様の執事は俺ですから」



ここで独占欲発揮させてどーするの…。

もう頼っちゃったほうがラクじゃない?

隣の部屋の執事さんは外国人だから、力には自信あると思うし。



「これが開けれた人と結婚しよーっと!」


「……あ”?」


「じょ、冗談だよ…っ!」



学院長をも黙らせてしまったハヤセの「あ”?」が、わたしにも向けられるとは。


さすがに怖い……。

というよりぜんぜん開かないしっ!!



「もうハヤセ遅いっ!いーよ今日は普通に食べる!早くクロとシロと小林にもご飯あげなくちゃだもんっ」


「…申し訳ございません、エマお嬢様」



クロとシロはわたしが入学当初から可愛がっている野良猫ちゃんで。

そこに数日前から小林(こばやし)と名付けた新入り猫ちゃんが加わった。


その名前で本当にいいのかと、ハヤセは目にする度に聞いてくるけど。

なんで小林なのかというと、その猫ちゃんの鳴き声が「こゃゃぃっ!」みたいに聞こえた日があって。


それで命名───小林となった。



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