天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~

龍の逆鱗

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【天界】


明日の婚礼の準備を行っていた月影の元に、氷輪が牢から逃げ出したという報告があった。


そして、すぐに白蘭の姿がないという報告もあがった。


紅蓮の元に行ったのか…。


私との婚礼がそんなに嫌なのか…。


あの男がなんだというのだ…。


命まで投げ打って助けるほどなのか…。


月影は静かに怒りに震えていた。


白蘭は全てを知ってしまった。私がどのようにして天帝になったのか、玲心と血の盟約を結び、紅蓮のことを黙っていたことを。


だが、それは全て白蘭のためにしたことだ。


なぜわからない。なぜ理解されない。


こんなにも愛しているのに。


月影の法力が漏れパリンッと装飾品が次々と壊れた。


「陛下!落ち着いてください」


気鋭に言われ少し冷静になった月影は衣の袖を翻し歩き出す。



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