天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~

龍と鳳凰

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【天界】


吐血した彼女をみて顔が青ざめた。


人間界で大怪我を負った白蘭を見つけた時を思い出したのだ。


寝息が聞こえたところでやっと安心した。


鬼神の力はさすがの破壊力だ。半血とはいえここまでとは…。


結界を張っていなければ宮は崩壊していたことだろう。


「湯あみの準備が終わっても白蘭が目覚めるまでは声をかけるな」

「かしこまりました」


侍女に声をかける。


「ゆっくり休んで早く良くなれ」


気鋭が月影の傷を蘇生術で治し、月影は衣を着替える。

そして政務に戻るため踵を返し天宮に戻った。


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