天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~

兎月と白蘭

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【天界】



薬師神の言う通り白蘭は数日経つと自分の力を操れるようになった。


鬼神の力は破壊・天女の力は癒し。


その両方を持つ白蘭はまさに最強だった。


得た物も大きいが失った物も大きかった。真の姿を手に入れたからか己の立場を理解しかつてのような無邪気さは無くなっていた。


…まるで心が無くなってしまったみたい。天女とはこんなにも孤独な物なの?


湯あみをし侍女に着付けをされる。


鏡に映る自分は無表情で怖いくらいだ。


薬師神が心配していた感情を高ぶらせることもないだろう。


支度が終わり外に出て歩く。


天宮は美しいところだ。天気は晴れていて日差しが温かい。そのせいか花の成長は早く我先にと咲き誇っている。


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