最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~

転機

 服装や身分制度などをみると中世のヨーロッパ風だが、ここには魔法というものがある。そのため生活はとても便利で、文明が発展しているからか、食文化も豊かだ。調味料や嗜好品もそれなりにある。
(さすがにパソコンとか車はないけど、それなのに便利な道具とかはあったような気がする。この世界って、何だかゲームの世界みたいだわ)
 それから、今の状況をもう一度思い出してみる。
 セシリアはまだ十歳だが、もう家庭教師がついていた。
 とくに大切なのは魔法の力で、この世界では貴族の血を持つ者しか魔法を使うことができない。
 そして、王家に近い者ほど強い魔力を持っている。
 だから公爵である父が持っている魔力も、かなり強かった。
 だが残念なことに、母が子爵家の娘だったせいか、異母兄の魔力はそれほど強くない。
(そうそう。わたしとお兄様は、母親が違うのよね)
 公爵家の嫡男だった父は、貴重な魔法書欲しさに、兄の祖父と魔法契約を交わしたらしい。その対価に娘を娶ることを懇願され、承知したと聞いている。
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