父のお葬式は雪の中で盛大に行われた。

 悲しいかと言われれば悲しいけれど、父は長期に渡って入院していて、母も浅緋もそんな父を見ていることが辛かった。
 元気な時は覇気のある人だったから、尚更だ。

 園村浅緋(そのむらあさひ)は式場を振り返った。
 雪の中、喪服に身を包んだ母は、華奢で消え入りそうで、美しかった。

 困ったことがあれば、相談に乗るから、と何人もが言いに来ていたのも、何人かは下心込みだったのではないかと思う。

 そんな風に思った浅緋自身も、母譲りの儚げな美貌の持ち主だ。
 色素の薄い栗色の髪と真っ白で透けそうな肌。さらりと長い髪は普段は下ろしているけれど、今日は喪服の和装なので品を失わない程度にまとめている。

 お葬式でも2人の母子の姿は際立っていた。

 お見送りも終わり、母と家に帰ってきた時には、2人ともぐったりしていた。
「疲れたわね……」
「はい……」

 それが、父の事だったのか、お葬式のことだったのか、浅緋には判別はつかなかった。