魔法の恋の行方・ドラゴンのヘタレ純愛・シリーズ6(グラゴールとエリィ)

最後のお別れチャンス・56~60

<最後のお別れチャンス・その1>

「荷物は積み込みましたよ。
いつでも出発できますぜ」
グレーズが馬車のそばで、
大声で叫んだ。

アンナとエリィが館の玄関から
出て来た。
「本当にグラゴール様とお会い
できないのですか?
こんなにいっぱい、
高価なドレスもいただいて、
お礼を言いたいのですが」

アンナは
館の書斎のほうをチラッと見たが
「そうですね。
昨日は鉱山の視察で、夜遅く帰宅されたので、まだお休みだと思います」

「そうですか・・・」

エリィにも、館の書斎の窓のカーテンの陰、
隠れるように男性が立っているのが見えた。
それも赤い髪だ。

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