ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

伊緒くんと夜空


翌日。


「昨日の葉山くん、めちゃくちゃ面白かったよね~。寝る前に思い出しちゃって、おかしくて寝れなくなっちゃったんだから」


今日も朝から私たちの会話には、伊緒くんの名前が挙がる。


「クールそうな顔して、やってること可愛くてギャップ萌えでさらに好感度上がっちゃったよ~」

「どこからどうみても、葉山くんて桃のこと好きだよね?」


カナちゃんのありえない言葉に、柚ちゃんが力強くうなずいた。


「うんうん、絶対そうだよ!」

「ないないないないのっ、ほんとにないんだってば!」


だから、私も力強く否定。


昨日の"学食事件"のせいで、私はみんなに冷やかされっぱなし。

あんな大人げないことして、伊緒くんのプライドにキズが付くんじゃないかと心配している私をよそに、逆に萌えるっていうんだから不思議。


「いーのいーの謙遜しなくて!」


柚ちゃんが、はいはいって感じに私の肩に手を乗せる。
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