ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
LOVE♡4

伊緒くんは天才です


「今日遅くなる」


穏やかに晴れた日の朝。

コーヒーをすすりながら伊緒くん。


「どうして? なにかあるの?」


こういう会話、まるで夫婦みたいだなあ、なんて。

脳内がお花畑になりかけていたら、


「現役東大生が講義しに来るらしい。ほら、あれ」


伊緒くんがさすのは、壁にあるコルクボードに貼られたプリント。

『東大王に俺はなる!!!』

人気クイズ番組と、国民的アニメを掛け合わせたような表題のそれは、結構前に伊緒くんが持ち帰って来たもの。


「さすが特進クラス。スケールがちがうよねえ」


私はそれをながめながら、はーっと感心する。

特進クラスからは毎年何人かの東大合格者を出すのが学校の使命らしく、こうして特別授業が組まれるみたい。


「だりーし、んなの出たくねえ」

「東大生のお話が聞けるなんて、そうそうないチャンスだよー」

「東大なんてキョーミねえし」

「わあっ」
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