ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

「これ久しぶりに読もうかな。借りてくねっ」


そう言って、その漫画を手に、モモは部屋を出て行った。


「はあああ……」


俺は魂が抜かれたみたいにベッドの上に倒れこむ。

そんな話ってあるかよ。

モモに好かれたくて、やりたくもないキャラのマネして。

実は、そのキャラが好きじゃなかったとか数年後に知らされるオチ。

しかも、真逆の優しい男が好きだと聞かされて。


俺はその夜、あまりにショックすぎて寝返りばかり打ち、一睡もできなかった。
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