ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

それから私も食べてみたけど、いたって普通のカレーで、美味しいかはわからないけど、十分食べられる味だった。

そりゃあ、決められた分量の水で煮込んで、決められた量のルーを入れたんだから当然か。

お肉は焦げちゃったけど、お肉のエキスはちゃんとあるはずだし、歯ごたえが出たってことで良しとしよう。

ステーキでさえ失敗した私にしては、上出来だよね!


「でもさ、それ……」


伊緒くんの視線が私の手元に落ちた。


「あっ……これは……」


咄嗟に左手を机の下に隠した。

でも、スプーンを持っている右手に貼られた絆創膏は隠せてない。

カレーを作っている間にケガしたところに絆創膏をはっていたんだ。

油がはねたところも、水膨れになっている。

眉をひそめてる伊緒くんに、宣言する。
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