ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

それに、モモがおでこに薬を塗っているところを見てしまった。

ごしごしとこすりながら、丁寧に塗り付けていた。

あとでなんの薬かを確認したら「古傷のあとが目立たなくなる」と書いてあった。

……知らなかった。

モモがこんなのを塗っていたなんて。

それほどまでに跡を消したいのか。

だよな。

おでこの真ん中に傷痕があるとか、気になるよな。

痕が消えてほしいと願いながら……でも、消えなければいい……と悪魔な自分も混在してたことを恐ろしく思った。

モモのそばに居たいからって、それは俺のエゴだと。


「おーい、朝から機嫌悪いなあ」

「うるせーな」


キャンプ場へ向かうバスの中。

瑛人が隣からちょっかいばかり出してくる。
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