「お待たせ〜南見くんっ」
次の休日、駅である女と約束をしていた。
「……あぁ」
この女は、先週転校してきた鏑木 愛菜。確か親が小桜グループの傘下である子会社の専務、らしい。
たまたま隣の席になってしまったのをきっかけにずっとかまって来るようになった。本当にウザいくらい、本当ウザい。
あぁ……優海さんに会いたい。毎日一緒に暮らしているが、全然足りない。
「ねぇ、南見くん。名前で呼んでもいいかなぁ?」
「ダメに決まってるだろ」
このお出かけだって本当は嫌だった。だけど、優海さんの可哀想だからと優しい心に負けてしまい了承してしまった。
本当優しい、女神様だ……!