「本当にいいんだな?」
「うん。これからのためだから、ちゃんと勉強して私も会社のために役に立ちたいの」
周寧くん違う女の子とデートした事件からひと月が経ち、お父さんが帰ってきた。
私は鏑木愛奈という女子生徒をお父さんに頼まれて調べていたんだけど、前の学校で問題行動を起こして退学させられたらしい。
その問題行動というのが、婚約者がいる男性に近づき周寧くんにしたことと同じようなことをしたのだ。それが運悪く、理事長の孫娘だったから大激怒されたようだ。当然地元にはいられず、こちらにやってきたんだけど彼女の父親も色々やばかった。
……まぁ、それは言えないらしいが。
「そうか、それなら私は応援するよ。頑張りなさい」
「ありがと、お父さん」
「周寧くんにも早く言ったほうがいい」
確かにそうなんだけど、何か言いづらい。
「……言いづらいのか?」
「うん。なんか……ね、なんだろう。なんていうのかな」
「優海は、寂しいんじゃないかな?」
「え?」
寂しい……? 私が?