放課後になり、先生が出て行くとすぐにみんな教室から出ていった。それと同時に廊下がザワザワしてくる。
「小桜さん、南見くんが呼んでるよ。あそこ」
クラスメイトに言われて指差す方を見ると、そこには周寧くんと真咲くんがいた。私は嬉々と鞄を持って周寧くんのそばに近づく。
「周寧くんお疲れ様、どうしたの。今日ってアルバイトあるって言っていなかったっけ」
「あったんだけど、今日は無くなったから今から一緒に帰らないかなって思いまして……」
「そうなんだ、じゃあ一緒に帰ろうか」
私がそう言うと周りにいる女子たちがキャーキャーきいろい声を出して叫んだ。それは私が喋ったからではなく、周寧くんがニコッと笑ったからだ。
私は今、睨まれているのを感じてしまって居た堪れなくなり周寧くんの手首を掴んで教室から飛び出した。少し早歩きをして人気のない廊下へと行った。