【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない
episode1

簡単な好き

入院していた時の楽しみは動画配信を観ること。





検査を終えて疲れた私の心を楽しませてくれたのはいつも動画の世界だった。





今じゃ配信なしでは生きていけないほど、私に大きな影響を与えた存在。






高校生になった今でも身体は少し弱く、貧血になりやすい依乃里。






この日も体調不良?ではなく、とある理由で昼休みの保健室のベッドでスマホを両手に持って寝転びながらその時を待っていた。






「今日も明星様素敵…!」






私、榛名 依乃里(はるな いのり)。配信とともに生きる高校一年生。






最近のお気に入りはVtuberの明星(あけぼし)タイムさん。






トークがメインの配信はリスナーに大人気。





距離が近い感じなのかな?友達と話しているみたいで楽しいんだよね。







そろそろ来るかな?







スマホの電源を消して布団にくるまり、寝たフリを始めると保健室のドアが開いた音がした。







足音は真っ直ぐ依乃里の方へ向かってくる。
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