僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
女子会
「日織さん、何度も言ってますが、丸山さんがいらっしゃる間のお二人の宿泊先は僕の家でも全然構わないんですよ?」
いや、むしろそうして頂きたい、と語尾にありありとそんな付け加えが窺える塚田さんの声に、ひおちゃんが小さく吐息を漏らす。
ひおちゃんの自宅に着くまでの間、車中で幾度となく交わされてきた会話を、藤原家前で荷物を下ろしながら、再度蒸し返す塚田さんを見て、私は思わず既視感を覚えてしまった。
(ひおちゃんのご主人、何だか理人みたい……)
そう思ったら、はからずクスリと笑みが漏れて、それに気づいたひおちゃんが眉根を寄せて塚田さんに抗議した。
「だから、ダメなのです。それではききちゃんとの女子会、楽しめないじゃないですか」
ぷぅっと頬を膨らませてそこまで言ってから「それに、です」と付け加える。
「それに、です。もし仮に修太郎さんの目の届かないところで、私がききちゃんの彼氏さんのお家にお泊まりするとか言ったら、修太郎さん、許してくださいますか?」
「そっ、そんなのっ、ダメに決まっているでしょう!」
ひおちゃんの言葉に、塚田さんがひおちゃんの腕を掴んで抗議して――。
いや、むしろそうして頂きたい、と語尾にありありとそんな付け加えが窺える塚田さんの声に、ひおちゃんが小さく吐息を漏らす。
ひおちゃんの自宅に着くまでの間、車中で幾度となく交わされてきた会話を、藤原家前で荷物を下ろしながら、再度蒸し返す塚田さんを見て、私は思わず既視感を覚えてしまった。
(ひおちゃんのご主人、何だか理人みたい……)
そう思ったら、はからずクスリと笑みが漏れて、それに気づいたひおちゃんが眉根を寄せて塚田さんに抗議した。
「だから、ダメなのです。それではききちゃんとの女子会、楽しめないじゃないですか」
ぷぅっと頬を膨らませてそこまで言ってから「それに、です」と付け加える。
「それに、です。もし仮に修太郎さんの目の届かないところで、私がききちゃんの彼氏さんのお家にお泊まりするとか言ったら、修太郎さん、許してくださいますか?」
「そっ、そんなのっ、ダメに決まっているでしょう!」
ひおちゃんの言葉に、塚田さんがひおちゃんの腕を掴んで抗議して――。