名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
楽は苦の種苦は楽の種
 朝倉先生が、帰ってからも熱に浮かされたようで、気持ちがホワホワとしていた。
 まさか、ザ・パーフェクトの朝倉先生とボロボロのシングルマザーの私が、付き合う事になるなんて、現実感なさすぎる。

 はぁ~♡ 夢なら覚めないで!!

 と、幸せに浸っていたら、携帯が震えた。
 ラインのトークにメッセージが入っているとアプリが表示され、将嗣からのものだった。
 夢から醒めた瞬間に思わず「チッ」と心で舌打ちをする。

 『 美優ちゃんの事を今度ゆっくり話し合いたい 』
 美優の事を持ちだされると断ることも出来ない。
 けれど、今日の朝倉先生に対しての態度は許せない。

 返事は、どうしよう。
 子供が居て、ゆっくり話が出来る場所なんて、自宅とかになってしまう。
 かと言って、朝倉先生と付き合う事になったのに、将嗣を自宅に招くのは違うような気がする。
 話の内容も内容だし、これには困った。
 大体、認知って、どういう事なんだろう?
 漠然とした認識しかない。
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