クールなイケメン総長さまの溺愛には注意です!

そこは薄暗くて怖い場所。


私はどうしてここを歩いているのかが分からない。



『ここはどこ?』



夢の中の私はまた泣いている。


1人、寂しくて……怖くて。誰かを求めている。



『おー、こいつはいいガキじゃねぇか』



後ろで低い声が聞こえたのでビクッと体を揺らす。もしかして……私のこと?


恐る恐る振り向くと……そこにはいかつい人が2人くらいいて、私ではなくて誰かを見ている。


自分じゃないことにほっとしたけど誰を囲んでいるのか全く見えない。



『だ、誰だよ!お前ら!』



………っ!太陽?


じーっとよく見てみると小さい太陽が2人を睨んでいた。


声ですぐわかる。
いつもいじめていた大嫌いな声だったから。


どうしよう。


太陽が危ない!



『た、太陽くん!』


『え?なんでここにっ!』


『いいから!』



太陽が言い終わる前に私は手を掴み、必死で走る。


怖かったけど……、前だけを見て走った。
< 203 / 225 >

この作品をシェア

pagetop