クローバー


なっ!?なっ?!


奏多は満足したのか、私の体を離すといつものように余裕のある色気たっぷりの笑みを浮かべている。


もう嫌だ、この兄弟。どいつもこいつも癖のある奴ばかり。疲れる。


私は1つため息を落とすと、疲れ気味に倉庫へと進んだ。


バンッ!
お構い無しに、倉庫のドアを開ける。


「たのもーうっ!!!」


なんだ?!なんだ?!


倉庫のいる男達の驚く声が聞こえてくる。
そして、後ろから突き刺さる視線。奏多、そんな痛い物を見るよう目で見ないで欲しい。


「道場破りか?!おいっ!お前ら道場破りが来たぞ!!」


「まじでー!?俺本物の道場破り初めて見た!!」


いや、驚くとこはそこじゃない!!!
普通見しなる女がいきなり入って来た事に驚くでしょっ!!


すげーっ!ずけーっ!と言う彼ら。
ここにまともな奴はいないのか?


「待て待て、お前ら違うだろ?全くここでまともな奴は俺だけか?」


いたっ!やっとこの状況を終わらせてくれる救世主が!!



「ここはまず"道場"じゃないぞ?」


「そこじゃないでしょ!!!!」


我慢できなくて、思わず突っ込んでしまった。てか、後ろの奴らも道場破りじゃないと分かって明らかに落ち込んだ顔すんなよ。なんか悪い事した気分になる。













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