捨てる旦那あれば拾うホテル王あり~身籠もったら幸せが待っていました~
第三章 幸せにすると誓います
朝は和家さんが会社まで送ってくれた。
……例の、リムジンで。

「その。
手前で降ろしてください」

「なにを言っているんだ、会社まで送るに決まってるだろ」

私のお願いはにっこりと笑った和家さんによって却下された。

……このリムジンは目立つんですよ!
心の中で抗議したって彼には聞こえない。
それに言ったところで彼が聞いてくれないのは学習済みなので、もう言わない。

会社の前にリムジンが横付けされる。
何事かと出勤してきた人たちが集まってきて、今から降りるのだと思うと気が重い。

運転手がドアを開け、和家さんが先に降りた。
私は奥に乗せられたのでそうなる。

「送ってくださり、ありがとうございました」

「ん、いってらっしゃい」

お礼を言ってさっさと会社に入ろうとしたら和家さんの顔が近づいてきて、唇が重なった。

「……は?」

固まっている私を置いて和家さんが車に乗り、ドアがバタンと閉まる。
すぐに窓が開いて彼の顔が見えた。

「李依、愛してるー」

ひらひらと手を振りながら去っていく和家さんを呆然と見送った。
あの人はこんなところで、いったい、なにを。
周りの視線が、痛い。
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