カラフルハート
そっか……魔法使いは、おばあちゃんだったんだね。
カボチャの馬車で鍛治くんを連れてきてくれた。
私と鍛治くんを会わせてくれた。巡り会わせてくれた。
それはまるで、本当にシンデレラのよう……──
「鍛治くん……」
「ん?」
「おばあちゃんのこと、信じてくれてありがとう」
シンデレラは魔法使いのことを信じたから、王子様の待つお城へ行けたんだ。
「ねぇ、鍛治くん」
「ん?」
シンデレラって、ガラスの靴を落として王子様に探しに来てもらえることが、どうしても印象に残りやすいよね。
でも、継母たちにいじめられてもすごく頑張ってたの。
辛かっただろうに……それでも変わろうとして頑張った。
「周りは今の鍛治くんを見て、シンデレラストーリーだって羨ましく思うかもしれないけど……
私は鍛治くんが、すごく努力をしてきた努力の人だって知ってるよ」
「…………」
「頑張ってくれて、生きていてくれて、…ありがとう」
「っ…、そうやって、俺を泣かせようとしないでよ」
「ふふ、私すごく幸せっ!」
そう言って私は鍛治くんをギュッと抱きしめた。
このどこまでも優しいシンデレラボーイと、生きていけますようにと願いながら……──