カラフルハート
ステージ1 連絡先を交換して下さい!
「しーずーくーっ!悪いんだけどまた髪お願いしてい?」
帰りのホームルームが終わると、誰もいなくなった教室にひょこっと顔を出す女の子。
事前に頼まれていた私は教室で彼女のことを待っていた。
「うん、今から放課後デート?」
「そ!雫が髪やってくれた日は、あいつ絶対“可愛い”って言ってくれんの!
もう救世主様だわ。本当に毎回ありがとうございます」
そう言って両手を合わせてお辞儀をしてくれる彼女は、1年の時にクラスメイトでムードメーカーのような存在だったミミちゃん。
学校が終わり、これから他校の彼氏くんとデートに行くらしい。
ここは自由な学校なために自由人が多く、みんなそれぞれファッションセンスにも個性が光っているので、個人的にオシャレの勉強にもなっていた。
「こちらこそ。私もアレンジするの好きだし、喜んでもらえて嬉しい」
「うん、だから雫ちゃんが一番可愛いのよ。天使なのよ」
「フフッ、何言ってんのさ。はい、ここに座って?」
冗談を言う彼女を自分の座席に座らせると、私は丁寧に髪を櫛でといていく。
ミミちゃんの真っ赤なインナーカラーはオシャレで、いつも触らせてもらえる度どんな髪型にしようかワクワクする。