私がこの自由な校風の高校を選んだ理由には、規則に縛られないということに大きな魅力を感じたからだった。


髪型は基本自由だし、制服も着崩していても何も言われない。

靴下に色の指定はないし、ピアスだって開けても平気。

メイクやアクセにも寛容で、まるで大学のような、私にとっては理想の高校で。


小さい頃から髪の毛をアレンジしたり、ファッションに興味のあった私は、ここの高校を選ばないという選択肢はなかった。

今の髪型は憧れていた外国人風のミルクティー色のロングパーマにしたし、高校に入る直前に耳には穴を開けた。

ただ、もらえるお小遣いは決まっているため、オシャレに使えるお金も限りがある。

そのため、バイト先も勉強を兼ねて、大好きなアクセサリーや帽子などの小物が取り揃うセレクトショップで働いている。

高校に入ってなんとなく周りの女の子の髪の毛を触るようになって、今ではこうしてクラスの子たちや他クラスの女子からもヘアアレンジを頼まれるようになった。


2年にもなると私の手は“魔法の手”だと評され、私の手にかかれば“恋が叶う”なんて突拍子もない噂まで聞くようになり、そんなのは間違いだとSNSでも投稿するほど今ではちょっとした有名人になってしまった。


恋する女子にとって、オシャレは武器だ。

今まで恋とはほぼ無縁だった私が、そのことを理解したのは鍛治くんに恋をしてから。