エリート弁護士は契約妻と愛を交わすまで諦めない
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メイクを施した顔の角度を変えながら鏡でチェックする。
よしよし、変じゃない。
今日は女友達とランチ会。大学の同じ学部で仲が良かった友達四人で集まる。卒業後も定期的に会ってはいたものの、私が体調を崩してから断っていた。
今回はその仲間のひとりが結婚するということでお祝いがてらホテルでランチしようと提案された。お祝い事だし、最近どんどん体調もよくなってきている。ギリギリまで迷ったけど参加することにした。
仕度を終えて部屋を出たらジャケットを着た朔が廊下に立っていた。
「送っていくよ。俺も用事あるし」
「いいの?」
「うん。何時に終わる?迎えにいく」
「えっとランチだけだから二時くらいかな」
「じゃあ、帰りついたら連絡する。早く終わりそうなら連絡ちょうだい」
「ありがとう」
せっかくの土曜日に悪いなと思いつつ、素直に甘える。久しぶりに女友達に会うというのが予想以上に緊張して、朔が直前まで一緒だというのが心強い。
わ、私ちゃんとできるよね。
萌の結婚式でも普通にできた。最後は胃痛で朔に助けてもらったけど。今回はランチで二時間だけだ。これもリハビリ、リハビリ。社会復帰への一歩。いつまでも引き篭もって、朔に迷惑をかけていられない。
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