御曹司社長はイケメンで甘すぎです。
帰国

大きな荷物をカートに載せて、カラカラと空港を歩いた。
ここは日本の空港。

まだ2か月くらいしか経っていないのに、ここを出発したのは随分前のことのように感じる。

空港を出て、タクシー乗り場に行こうとした時、私は後ろから名前を呼ばれた。


「結愛、お帰り…待っていたよ。」


振り返ると、そこには颯真さんが来てくれていた。
今日は平日なので、仕事があるだろうと颯真さんに言わなかったのに、なぜ来てくれたのだろうか。


「颯真さん、仕事は大丈夫なのですか?」


すると颯真さんはクスッと笑った。


「結愛以上に大切な仕事なんて、あるはずないだろ…今日は日本に結愛が帰ると、瀬里奈ちゃんと卓君から連絡をもらったんだ。」


瀬里奈と卓が、颯真さんに伝えてくれたのだ。


「結愛、車で来たから送るよ。」


颯真さんは、自分の車を運転して来てくれていた。

久しぶりに見た颯真さんの眼鏡をかけた顔。
前にも思ったが、端正な顔は眼鏡でさらに引き立つように思う。


運転中の前を見る横顔も大好きだ。


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