再会した幼馴染に溺愛されています。
そばにいたくて(冬馬side)

もう下校の時間か……学校中に聞き飽きたチャイムの音が響き渡る。


机に突っ伏してる俺はしぶしぶ顔を上げて帰る準備をしていた。


何するにもやる気が全く起きない。
アキに一体何があったのかが気がかりで何も手がつかない。


何であんな事言って学校を飛び出したんだ。
それに真面目なあいつがそのまま学校をほったらかすなんて……。


井出の奴も同時に消えたのも腑に落ちない。
あいつの場合は大方サボりだろうけど。


「滝口くん〜なんでそんなにテンション落ちてるの?そんなクールなとこもカッコいいけど」


「……またお前たちか。俺は今喋る気にならねえんだよ。」


人が落ち込んでる気もしれず斉藤を始めとする女子が俺を取り囲む。


正直構わないでほしい。


「滝口くんやっとあの人から解放されて嬉しいはずでしょ?」


「ん?おい斉藤……ちょっと待て。それってどう言う事だ?」


何をこいつらは訳の分からない事を語ってるんだ?


だが無性に嫌な予感がしてならない俺は斉藤を屋上に呼び出す事にした。
< 124 / 224 >

この作品をシェア

pagetop