再会した幼馴染に溺愛されています。

「そろそろ電車に乗らないとまずいよな」


冬馬が腕時計を見た事につられて私も時刻を確認すると午後6時を過ぎている。


「そうだね……夕食は家で食べるって伝えてあるし」


時間も忘れるくらい楽しんでたんだからもっともっと一緒にいたい気持ちはあるけど。


それに結構満足した。
雑貨屋さんでインテリアの話で盛り上がったり、服屋さんで明らかに似合わないコーデを試着して笑わせにくる冬馬の意外な一面も見れたし。


「もっと他にも回りたいとこあったんだけど、意外とショッピングモールで一日潰れるもんだな〜」


「一人で見てるとそりゃすぐ用事済むけどやっぱ違うよね」


私と冬馬は他愛もない会話をしながら帰り道を歩く。


辺りは夕焼けすら暗くなってきていてちょうどいい気温で歩きやすい。


「また次回に今日行けなかったとこいかねーか?」


「うん……行きたい!」


急に立ち止まって学校にいるときのような真剣な顔で冬馬はそう言う。


そんな顔されたら断れないし、元から断るつもりないけど。
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