再会した幼馴染に溺愛されています。

でも改めて気持ちを言葉にするなんてかなり難しい。


言いたいけど言えない。


でもいつかちゃんと言葉にしないと。


「待ってろよアキ」


「なにが?……今日の冬馬少しおかしいよ、何かあったの?」


おかしい……か。
間違っちゃいないけどな、自分でもおかしいとは思うけど。


「何でもねえよ、また後でな」


「相変わらず意地悪〜!!」


そう言いながら可愛い顔を見せるアキを放置する。
友人と話してたみたいだし。


俺は昨日の帰りに寄り道した本屋で購入した恋愛小説を開いて始業までの時間潰しをすることにした。


読書は昔からの趣味だけどこういう女子が読むような本を買うのは初めてで少し楽しみだ。


「滝口くん!こういう本も読むんだ!可愛いとこもあるね」


読書に没頭していると、またうるせえ連中が俺の机を取り囲んでいる。


名前までいちいち覚えてないけど、派手な化粧をして染め上げた明るい髪の毛の女たち。


俺が苦手な人種だ。
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