再会した幼馴染に溺愛されています。

冬馬は自分の予定の時間が迫ってるというのに無言で私を包んだまま離さない。


沈黙が流れるけど気まずい事はなく、むしろ心地良い沈黙だ。


「てかほんとにそろそろ行かないとまずいわ……」


「うん……私は大丈夫だから自分の予定を優先してよ」


冬馬が先に沈黙を破る。


そんなに悲しそうに言わないでよ……。


ダメなのに引き止めたくなっちゃうよ。


「冬馬、少しは安心した?」


「ああ……こうしてると安心できる、余計な心配かけやがって」


良かった、いつもの冬馬に戻ったみたい。
直接私が心配の原因を作ったわけではないのだけどね……。


「んじゃ、俺行くから。真っ直ぐ帰っていい子にしてろよ?」


「わかってるから安心してよ」


もー、子供扱いしないでよ!


冬馬がそう言うと同時に私たちの体は離れる。
いざ離されるとやっぱ寂しいなあ。


でも我慢しなきゃ。
怖い目にも遭ったけどそれ以上に冬馬の良いところ見れたからヨシとしよう!


冬馬が私をドキドキさせてくれたのは立派な「ヤキモチ」でした。
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