私の運命は、黙って愛を語る困った人で目が離せない。~もふもふな雪豹騎士にまっしぐらに溺愛されました〜

本編

たとえば運命というものがあるとして。
この世でただ一人だけ、ねじ曲げることの出来る人がいるとしたら、君は何を願う?

そもそも運命とは何か?
んー、そうだなぁ。この先そうなると定められたもの。人のような矮小な存在には、とても抗えぬ大きな流れ。
説明するには難しいね。
そう。君が数年前にお父さんとお母さんから生まれたことすら、何もかも決まっていることなんだよ。

そんなの、おかしい?
おかしいよねえ。僕も前にそう思ったこともあるんだけど、その流れに逆らおうとすると必ず手酷いとばっちりが待っていることに気がついてね。
それ以来、出来るだけ逆らわないようにしたんだ。長いものに巻かれるのって楽だし、何より疲れないからね。
上手く生きるための処世術ってやつだよ。幼い君には、まだ早いかな。

今生きている人生の中で、君自身が自ら決めることが出来るのは、実はあまり多くない。
そのことには気がついていたかな。
生まれもそうだし……容姿もそう。それに育つ環境に伴い形成されていく性格だって、そうだね。何もかも好んで選んだものでは、ないだろう?

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