【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
もっと甘いこと


°



放課後になると、お昼の天気が嘘みたいに雨が降りはじめた。

今日、折りたたみ傘持ってきてたっけ……?


心配になってカバンを確認したら、内ポケットに入っていた。

よかった、あった……!

なんとか雨に濡れずに帰れそう。

ホッとひと安心していると。



「歌桜」



廊下からわたしの名前を愛おしく呼ぶ声が聞こえてきた。

そちらを見れば、凌玖先輩が軽く手を振ってくれてて。


それだけで胸がくすぐられる。


お昼休みは気まずい空気にしちゃったから、心配かけないようにいつも通りに話そう。

荷物を持って凌玖先輩のもとに行った。



「お待たせしましたっ」



できるだけ自然に挨拶した。



「今来たばかりだから平気。いこっか」

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