バーベキュー当日は、レンタカーを借りた宇田さんが、私と母を家まで迎えに来てくれた。

「真莉ちゃん、お誕生日おめでとう!」

 私を見るやいなや開口一番そう言った宇田さんに、私は「あ、ありがとうございます」とぎこちなく頭を下げた。

 高校の最寄り駅で真人くんを拾う。

「今日はお世話になります。これ、児童支援員の人が真莉さんのおうちの方にって……」

 そう言って、紙袋に入った茶菓子を助手席の母に手渡す真人くん。

「あら、わざわざどうもありがとう。こんなの気にしなくていいのに」
「うちの施設、グループホーム制で、六人で家族みたく暮らしてるので、支援員の人も必然と親っぽいことしてくるんですよ」
「あらそうなの。いいわね」
「怒る時は、巷のお母さんたちより怖いですけどね」

 あははと皆が笑って、宇田さんがゆっくりアクセルを踏む。

「今日は牧場に行くよ。そこにバーベキュー場もあるから」

 母と宇田さんの肩越しに走り出す景色。後部座席の真人くんは「ガム食べる?」とミントのガムをくれた。
 なんだかこれだけでもう、十分休日の家族っぽかった。