晃輝が会いに来て、私が返事をしてから1週間――。
できるだけ早い方がいいだろうということで、私と晴輝は晃輝の大きな家に引っ越してきていた。
そして、あっという間に婚姻届を提出し、私は晃輝の妻になった。
「晴輝、パパとお風呂に入ろう」
「あいっ」
小さな手を精一杯上げて返事をする晴輝はとても可愛い。
初めは環境が変わることで晴輝も慣れないかと思っていたけれど、そんなことは杞憂に終わりのびのびと過ごしている。
変わった生活に慣れていないのは私の方だ。
それに、今まで全てをひとりでやっていたせいもあり、すぐに懐いた晴輝を取られたような感覚になってしまう。
晃輝に悪気がないことは分かっている。
育児も率先してくれるし、家事もできるから良い旦那だとは思う。
だけど、それがますます私の居場所をなくしているように感じてしまった。
「雪音、ご飯の片付け頼んでいいか?」
「う、うん」