俺と香坂優子の出会いから3年がたった。

研修後に配属された部署は香坂優子とは違っていた。それが残念ではあったが、仕事はとても楽しかった。
自他ともに認める顔の良さから女性陣からのアプローチも多かったが、彼女はいなかった。
休日は学生時代からの友人や研修で仲良くなった同期達とワイワイとすごしていたし、
公私ともに充実した3年間を過ごした。
ただ。
唯一、香坂優子に関してはうまくいくことがなかった。


八木は研修後、優子との接点を探した。

しかし会社の廊下で優子にすれ違うと「今日もきれいだなあ」とつい見とれてしまうだけだった。
ふわふわパーマがダークブラウンのストレートヘアになって、あごのあたりまで短く切られてもやはり優子はかわいくて、きれいだと思うだけだ。
この3年。特に話しかけるほどのきっかけはないままだ。

接点がないといっても、顔の小ささとヒールで高く見えた身長が、実は160cmないことも知ったし、
誰とでもにこやかに話す性格と美貌を持ち合わせているのに本人は全く気取っていないことも知った。



でも、来週からは違う。
同じフロアの、同じ部署で働くことになるのだ。
話すきっかけはきっと訪れる。

そう思うと八木は少し、、、、いや、かなり楽しみになっていた。