一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない
10章:現在まで②

 でも、そんなプレゼントは、サンタには無理だ。
 どんな人にも、神様にも、無理な話だ……。

「すぐ荷物をまとめて戻るぞ、ローマに」

 鷹也さんが優しく言って、私はそれを拒否するように首を振った。

「やっ……」
「どうして?」
「私はここにいます。私やっぱり日本がいいの。だから離婚を……」
「日本に住みたいだけなら一緒に戻れるように策を考える。どうしても離婚したいというなら、きちんと俺が納得できる理由を言え。そうでないと俺は沙穂を諦めない」

 その言葉に、胸がぎゅっと掴まれる。
 どうして、私にそんなこと言うの?

 この人はいつも、なにもかも余裕の表情で、何でもそつなくこなす。
 そして、私が何をしても、本気で怒らない。

―――本気で私に向き合う事なんて、きっと一生ない。

 あの写真の女性……貴子さんの笑顔が脳裏に浮かぶ。
 きれいな人だしね……別れてからも後悔するよね。

 そう思うと苦しくなる。
 子どもができないのもそのせいだった……?
< 70 / 108 >

この作品をシェア

pagetop